大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

松山地方裁判所 昭和24年(行)5号 判決

原告 日本農民組合愛媛県連合会

被告 愛媛県農地委員会

一、主  文

原告の訴を却下する。

訴訟費用は原告の負担とする。

二、請求の趣旨

被告が訴外松山市味生地区農地委員会の申請に対してした訴外共同企業株式会社所有農地につき自作農特別措置法第五条第五号の規定に依る承認はこれを取消す。訴訟費用は被告の負担とする。

三、事  実

原告訴訟代理人は、その請求原因として訴外共同企業株式会社は松山市大可賀町にその事業拡張予定と称して農地を所有しているのであるが同会社は東京都に所在しているので右農地は不在地主の所有地として当然買収せらるべきものであるところ同会社はこれが買収を免れるため虚偽の理由を具し訴外松山市味生地区農地委員会に自作農創設特別措置法第五条第五号の規定に依る買収除外の指定方を申請し同委員会はこれに基ずいて被告に対しその承認を求めたところは被告は昭和二十三年十二月二日同委員会に対しこれが承認を与えたものである。併し乍ら右農地は同会社が近くその使用目的を変更する意図を有するものでないに拘らず被告はこれが真偽を調査せずして右の承認を与えたものであつてこれは違法な処分であるからその取消を求めるものであると陳述した。

被告訴訟代理人は主文第一項同旨の判決を求め本訴は原告が被告の処分に因りその具体的権利を侵害せられたことを理由として提起したものでないから原告は正当な権利保護の利益を有しないものであると陳述した。

四、理  由

按ずるに本訴は被告訴訟代理人所論の如く原告が被告の処分に因りその具体的権利を侵害せられたことを理由として提起されたものでなく原告は権利保護を求める正当の利益を有しないものと言うべく不適法であること明白であるからこれを却下し訴訟費用の負担につき民事訴訟法第八十九条第九十五条を適用し主文の通り判決する。

(裁判官 加藤謙二 橘盛行 水地厳)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!